英語学習の方法

 日本語でも話が通じないで困っているのに英語を勉強するとは…

 しかし、異言語に触れることは思考形態を増やすことにつながり、精神的に豊かになることができるかもしれない。また、職場で実際英語を使えず悔しい思いをしているし(日本語を使えず悔しい思いをしていることが多いが…)、昨今・これからの翻訳ソフトウェアの著しい台頭を鑑みてもやはり英語を勉強するのには十分な価値があるだろう。

 ぼくの英語力について紹介すると2017年のTOEICで895、その後2019年のTOEIC-ipで835である。ほとんど対策していないブランク期間と鬱病を差し引くと、よくこの下げ幅で抑えられたなと我ながら感心する。

 2016年、TOEICで自己最高点を獲得したときの勉強量としてはPart1~Part7の対策本を一周やって、過去問を5問解いた。タイトルにも上げた学習の方法だが、実はこの時はそんな方法論など全く意識していなかった。全て雰囲気でだらだらと解いた。試験本番でも(多分こんなこと言ってる・書いてるんだろうなあ)と雰囲気でマークした。勉強法について意識したことがないのである。しかし、今は加齢や病気で脳活動が鈍っていることもあり、時間も限られていることだし、やはり効率のよい方法で学習したいという気持ちがある。

 そこでネットに転がっている英語学習方法の記事をいくつか読んでみたが、今まで全て雰囲気でやってきたせいか、どれも面倒そうでいまいちピンとこない。雰囲気でやってきた、そしてこれからも雰囲気でやっていく男としては、自分の雰囲気を作って学習したい。そう思い自分なりの英語学習法について雰囲気でぼんやりと考えていたがよううやく考えがなんとなくまとまったので、ここにキッチリと文章で示しておこうという気になった。雰囲気からキッチリとした文章の変換は自分の考えを明晰にする。そうした訓練も積んでおいて損はないだろう。

 

 さて、ぼくが今後行う英語の学習の方法について話す。

 最優先事項をズバリ言うと動詞の学習である。

 なぜ動詞か?

 突然だがwikipediaから一節を引用する。

  "ソシュールは、言語(language ランガージ)には、ラング(langue)とパロール(parole)という二つの側面があると考えた。ラングとは、ある言語社会の成員が共有する音声・語彙・文法の規則の総体(記号体系)である。それに対して、パロールは、ラングが具体的に個人によって使用された実体である。そして、パロールは、個人・場面によって異なり、言いよどみ、言い誤りなども含むことから、ソシュールは、言語学の研究はラングを対象とすべきであるとした。"

  今僕が学習しようとしているのはラングである。つまり英語の音声・語彙・文法の規則の総体(記号体系)を習熟しようとしている。そして、ぼくが動詞の学習を第一要項に挙げたのは、英語の記号体系の習熟に最も重要な役割を果たすものが動詞であると考えたからである。

 普通学校で習う英語では英語は次の8品詞からなる。すなわち、名詞・代名詞・形容詞・動詞・副詞・接続詞・前置詞・感投詞である。

 ちなみにOxford English Dictionary によると収録語彙の半分以上が名詞で、1/4程度が形容詞、1/7が動詞で残りが副詞・接続詞・前置詞・感投詞などらしい。これら8品詞が英語という記号体系の中でどのような役割を果たしているのかを考えた図を以下に示す。

 

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 図の解説をしよう。この記号体系は点と点を繋ぐネットワーク状の構造をしている。図の点に当たるのが名詞である。対象を指し示す品詞だ。対象が無ければ言語は始まらない。まさに言語の主役だろう。語彙が最も多いのも頷ける。

 そして、それらを繋ぐノードが動詞であると考えた。 この記号体系の習得に最も重要なことは、点を知ることではない。点と点がどのような形でつながっていくのか、そのつながり方である。つながり方とは何か、文法である。SV・SVO・SVOO・SVC・SVOCの五文型をご存じなら、V(動詞)がまさに文法上の主役であることは了解できると思う。S・O・Cは実に様々な品詞をとることができるがVはverbのみである。

 このように構築される名詞と動詞を中心としたネットワークの修飾・補助をするのが残りの品詞である。

 英語の学習において動詞に力点をおくのは、このように動詞がネットワーク上最も重要な点と点の「つながり方」の役割を果たしていると考えたからである。さらに補足すると、名詞・形容詞・副詞などは語彙数は多いが単語帳で比較的簡単に覚えられる。例えば「book=本」「beautiful=美しい」「carefully=注意深く」といった具合に日本語との対応関係が明確であることが多い。一方動詞ときたら事はそう単純ではない。例えば「search=探す」だけでは済まない。自動詞なのか、他動詞なのか、search for なのかsearch ofなのか、to不定詞とどう対応するかなど、明らかに情報量が他の品詞よりも多い。これが、動詞に力点を置く理由である。

 

 以上のように動詞を中心にボキャブラリを増やしつつ、リスニングの教材の聞き取り、シャドーイングを行う。リスニングでは、まず一度理解した文章を自分のコトバで再発音することで言語ネットワークの構築力を向上させる。今までライティング・スピーキング系のタスクをほとんどこなしてこなかったので言語ネットワーク構築力が薄弱だと思われるのでリスニングの例文を支えとしながらそうした力を養う。また、その後音声を確実に聴き取るシャドーイングを行う。

 雰囲気マンとしては珍しくかなり真面目な話をしすぎた。真面目な話を真面目な実行に移すのにまた大きな壁一枚がある。この記事を書くのに時間がかかったために今日は英語の勉強をしていない。

 それでは。